Hello! Hiroshima Project への想い
第4弾は「Hello! Hiroshima Project の想いをデザインに!」です。
こんにちは、Listenの大井と申します。
2013年に立ち上がったHello! Hiroshima Projectの活動が新たなフェーズを迎え、
この度、この活動の新しいロゴマークや着用ビブス、Webサイトの全体像、
配布物などについて、総合的にデザインの側面からお手伝いさせていただきました。
Hello! Hiroshima Projectの新しいロゴマークのシンボルは、ズバリ、「フキダシ」の形のモチーフです。
このフキダシは活動の根っこである「会話」「案内」というものをシンプルに表現したものですが、
その奥には、「会話」「案内」から生まれるそのまた先のストーリーが横たわっています。
そもそも、「会話=言葉のコミュニケーション」とは何だろう、ということに思いをめぐらせてみると、
意思が通じ合うこと、すなわち、心が通じ合うことだと思い至ります。
例えば、
『厳島神社を見たいのだけど、どの電車に乗ればいいんだろう』
なんて、異国の旅先でやりたいことにワクワクしていたのに、いざ来てみるとわからないことだらけ。
そんな時に、「何かお困りですか?」と母国語で案内してくれる人がいたらどんなに嬉しいでしょうか。
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外国人旅行者
『厳島神社に行きたいんだけど、どの電車に乗ればいいかわからなくて…』
Hello! Hiroshimaメンバー
『それなら1番ホームの電車に乗って、この駅で降りれば行けますよ。
フリーパスを購入されればそのまま船にも乗れるんです。
今日の満潮は夕方だから、夕日とともに海に浮かぶ鳥居が見られるかも。』
外国人旅行者
『ありがとう、助かったよ!』
Hello! Hiroshimaメンバー
『あと、宮島にいる鹿は可愛いんだけど、お菓子を食べられないように気をつけてね (笑)』
外国人旅行者
『わぁ!それは気をつけないとね。とても楽しみだよ。ありがとう!』
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はい、このやり取りは私が想像して書いたフィクションです。すみません。
でも、実際にこんなイメージに近いやり取りが日々行われているのは、
Hello! Hiroshima ProjectのSNSでレポートされている日常をご覧いただければ感じていただけるはず。
旅先で旅行者は、どうしても「外の人」という感覚を伴うものです。
上に挙げたようなやり取りはとても些細なものですが、
それだけでこの土地との距離が近づいたような気がするのではないでしょうか。
さらにはそんな案内を受けて訪れた目的地でも、より経験の濃度が深まったり。
さて、ここで冒頭の「会話=言葉のコミュニケーション」とは「心が通じ合うこと」という話に戻ります。
ただの案内ならば、最近話題のAI(人工知能)に任せても良いでしょう。
この活動が素晴らしいのは、困っている外国人旅行者に対して、
市民メンバーの「思いやり」「おもてなし」「助け合い」という
【心】に支えらているところにあると思うのです。
そんな心のやり取りから生まれる小さな国際交流が、広島の街で日々笑顔の花を咲かせています。
自国に帰るまでの道中に家族や仲間と、そして自国に戻って友人たちに、
「こんな素敵な経験をしたんだ」と話したくなる旅になってくれたら。
広島での出来事を思い返しながら世界中で思い出を語る「フキダシ」が
新たに生まれるような、そんな良い旅を。
大井 健太郎
Art Director/Listen 代表
1980年生まれ 広島県廿日市市出身。
穴吹デザイン専門学校を卒業後、東京都内のデザインプロダクション勤務を経て、地元広島へ帰郷。
2014年8月より屋号”Listen”にてフリーランスのArt Directorとして独立。現在に至る。
企業・地域・商品などのブランド構築にまつわる
アートディレクション・デザイン・コピーライティングを中心に手掛け、全国各地にクライアント多数。
http://listen-ooi.tumblr.com/